乾燥肌のつらいかゆみの原因と対策
作成日: 2020/11/24 更新日: 2020/11/24
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乾燥肌、なぜかゆくなる?
私たちの肌は、表皮のもっとも外側の角層がもつバリア機能によって、異物の侵入や外的刺激から守られています。ところが生活習慣や物理的刺激、加齢などにより角層の水分や皮脂が失われると、バリア機能は低下。外からの刺激に対して無防備になるばかりか、水分が蒸発しやすい状態となり、肌はカサカサに乾燥してしまいます。
肌が乾燥するとかゆみが生じやすくなるのは、かゆみを伝える末梢神経「C線維」が外界からの刺激を受けやすくなるからです。C線維は通常、表皮と真皮の境界部近辺で止まっていますが、肌のバリア機能が低下することで、角質のすぐ下まで伸びてきます。その結果、肌が受けるわずかな刺激にも敏感に反応し、脳に伝達。かゆみとして認識されるのです。
乾燥肌によるかゆみの対策
かゆみを感じると肌をかきたくなるものですが、実は肌をかいてもヒスタミンというかゆみ物質が分泌されるだけで、かゆみは解消しません。そればかりか肌のバリア機能が破壊され、さらなるかゆみの原因になる可能性も。かけばかくほどひどくなるかゆみをどのように抑えればよいのでしょうか。
乾燥肌によるかゆみにもっとも効果的なのは、毎日のスキンケアで肌にうるおいと油分を補うこと。角層のバリア機能が整えば、表皮近くまで伸びていた「C線維」も元の位置に戻り、かゆみも軽減するでしょう。
かゆくてかゆくて目先のことに集中できないというときは、かゆみが生じた部位を水や保冷剤を用いて冷やすのも一手です。冷水やシャワーで冷やした後は、うるおいチャージも忘れずに。
かゆみに有効な保湿成分
かゆみ対策には保湿成分が有効ですが、なかでもダメージを受けた角質を整え、肌のバリア機能を改善するには、肌の表面だけでなく角層の奥深くまで浸透・保湿するグリセリンがおすすめです。肌の内側から保湿し、肌のバリア機能を整えます。
ライター:藤田智美